ホッキョクウサギ日誌

なかにしけふこのブログ。宗教学と詩歌文藝評論と音楽と舞台と展示の話など。

2018-01-01から1年間の記事一覧

カウンターテナー研究会御礼

12月15日、カウンターテナー研究会第8回例会でレクチャーの機会をいただきました。「『古代末期』の教会で『歌った』のは誰か?」というテーマで、先行研究とローマ帝国におけるキリスト教の公認以前からポスト・ローマ期にかけての事例を紹介しつつ、初期キ…

『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎)に寄稿しました。そしてクラウドファンディングのお知らせ

ヒロ・ヒライ監修『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎)がいよいよ2019年2月頃に刊行されることになりました。私もレイノルズ『古典の継承者たち』とヘニンガー『天球の音楽』の2項目を寄稿しています。いまもっとも勢いのある「インテレクチュ…

大英博物館で漫画展(2019年5月23日から8月26日)

2019年5月23日から8月26日まで、大英博物館で「MANGA」展が開催されるそうです。 www.britishmuseum.orgMANGAのグラフィックワールドを主題に日本国外で開催される展示としては最大級とのことで、企画展特設ページのイラストレーションに《ゴールデンカムイ…

ざびえる(ざびえる本舗)とドン・フランシスコ(菊家)

ざびえる pic.twitter.com/txYJZRi83T — Kyoko Nakanishi (@mmktn) December 4, 2018 ドン・フランシスコ pic.twitter.com/QrXyL42jBx — Kyoko Nakanishi (@mmktn) December 4, 2018 大分土産のきりしたん名辞銘菓・ざびえる(ざびえる本舗)とドン・フラン…

「アーミッシュ・キルトを訪ねて」展(国立民族学博物館・2018年12月1日)

民博の「アーミッシュ・キルトを訪ねて」展を見ました。(当日の写真付きツイートツリーはこちらから開けてご覧下さい)https://twit 民博アーミッシュキルト展。充実した展示です。パネルとリーフレットの解説も親切。厳格な再洗礼派の質実で清潔感あるマテ…

入沢康夫さん逝去

詩人・入沢康夫さんが逝去されたことを田野倉康一さんのフェイスブック投稿から知りました。その後、報道各社のお悔やみ記事を見て、10月15日に逝去されていたことを知りました。 入沢康夫さん死去 詩人・宮沢賢治研究:朝日新聞デジタル そういえば入沢さん…

Spellbound展(Ashomoleam Museum, 2018年11月4日)

オクスフォード大学アシュモリアン博物館のSpellbound展を見に行きました。 www.ashmolean.org トレイラーはこちら。 youtu.be第4層(3rd floor)の企画展フロアをいっぱいに使ったコンパクトな展示ですが、じっくり見ると2時間半はかかります。エントランス…

関口凉子×港千尋対談「味覚と視覚のポスト3.11-フランス語圏をフィールドにして」(11月20日、津田塾大学小平キャンパス)

津田塾大学多文化・国際協力学科設立記念対談 関口凉子×港千尋「味覚と視覚のポスト3.11-フランス語圏をフィールドにして」を木村朗子先生のお誘いで聴講しました。木村先生による一連の「震災後文学論」の実践者のことばのアーカイヴ化の試みでもあります…

前橋文学館「この二人はあやしい」展&萩原朔美・清家雪子トークイベント(2018年11月17日・後編)

前橋文学館「この二人はあやしい」展と萩原朔美・清家雪子トークイベントに行った話の後編です。鼎談の詳細はいずれどこかの活字媒体に出ると予想されますので、こちらでは話題別にまとめました(聞き落としもあるかと思いますが、どうぞご容赦ください)。…

前橋文学館「この二人はあやしい」展&萩原朔美・清家雪子トークイベント(2018年11月17日・前編)

前橋文学館「この二人はあやしい」展と『月に吠えらんねえ』トークイベントを見ました。 みごとなキュレーションと配慮の行き届いた進行と運営、素晴らしかったです。トークイベントは申込制先着100名。申込開始日当日、私は文献調査でロンドンに着いたばか…

倫敦でおいしいものをたべる2018年秋

以前、短期文献調査時に倫敦でおいしいものをなるべく安く食べるお話を書きました。一ポンド270円だったころはそれはそれはみじめな思いをしたものでした。あれから10年、一ポンド150円前後になったのはほんとうにありがたい(ただし、ヒースロー空港の両替…

大英博物館・「神々とともに生きる」展(Living with Gods: people, places, and the worlds beyond, British Museum, 2018年2月19日)

これからの博物館・美術館の宗教展示の可能性に注目しています。ここで過去記事を再録しましょう。British Museum(大英博物館)の宗教とマテリアルカルチャー展「神々とともに生きる」(Living with Gods: people, places, and the worlds beyond, 2017年11…

Anglo-Saxon Kingdoms展(British Library, 2018年10月28日)

学園祭休みとreading weekを縫って倫敦に文献調査で10日ほど滞在しておりました。文化史展示のなかの宗教展示の意義に注目して展覧会を見ています。大英図書館でAnglo-Saxon Kingdom展を見ました。 www.bl.ukゆっくり見ると4時間かかります。大英図書館中世…

山崎佳代子『パンと野いちご』(勁草書房)刊行記念トークショー(2018年8月7日・セルビア大使館)

山崎佳代子さんの『パンと野いちご』(勁草書房)刊行記念トークショーに行ってきました。旧ユーゴスラヴィア解体とボスニア紛争下での食をめぐる経験を、コソヴォでの難民支援文藝プロジェクトに参加した難民キャンプの女性たちや、周囲の方々から山崎さん…

現代詩手帖2018年10月号「小特集・『月吠』番外編」に寄稿しました。

現代詩手帖2018年10月号「小特集・『月吠』番外編」に「箱庭を祓う」を寄稿しました。箱庭のような「近代市□街」の世界構造、なんらかの怨霊のようなものであろう「縊死体」に宿ったものと鎮魂のテーマ、リスペクタブルな詩と(作中世界では「神」とされてい…

国際ワークショップ「精神医療の「過去」と「現在」を展示する」(9/17・慶應義塾大学日吉キャンパス)

国際ワークショップ「精神医療の「過去」と「現在」を展示する」(9月17日・慶應義塾大学日吉キャンパス)に行きました。 igakushitosyakai.jp 英国の精神医療博物館の展示、私宅監置制度の検証の展示、日本のアール・ブリュット支援の話題です。精神医療の…

現代詩手帖2018年10月号予告(1)

現代詩手帖10月号の告知が出ています。『月に吠えらんねえ』特集(『月吠』番外編)でひらがななまえで作品への愛を唄っているのでぜひ買って読んでください。今回は作中世界の怨霊と詩人の理想像とそれぞれの詩人たちのかかわりについてわりとゆるめに書き…

現代詩手帖2018年6月号『月に吠えらんねえ』特集に寄稿しました(2) なかにし担当分への追い書き

おかげさまで現代詩手帖『月に吠えらんねえ』特集がよく売れているようです。ありがとうございます。中学生のときからの詩手帖読者ですが、こんなにフィーバーしている詩手帖をリアルタイムで見るのは初めてです。さて、人物解説なかにし担当分の追い書きで…

現代詩手帖2018年6月号「『月に吠えらんねえ』の世界」に寄稿しました

現代詩手帖6月号『月に吠えらんねえ』特集に寄稿しました。清家雪子さん作のまんが『月に吠えらんねえ』の主題は日本近代詩歌と戦争。1945年8月15日から後の時空に行けない「近代市□街」に閉じ込められた詩人たちの物語です。各作家の人となりと作品世界・教…

『うたえ!エーリンナ』をよみました

佐藤二葉さんから『うたえ!エーリンナ』をご恵投いただきました。ありがとうございます。 佐藤二葉さんは総合ギリシア劇を手がける21世紀のバッケー的存在です。星海社のまんがウェブマガジン「ツイ4」に連載された4コマまんが連作の書籍化です。ツイ4のサ…

ユリイカ2018年5月号『特集 アーシュラ・K・ル=グウィンの世界』に寄稿しました。

ユリイカ2018年5月号『特集 アーシュラ・K・ル=グウィンの世界』に論考「アーシュラ・K・ル=グウィンと文藝共和国の夢 「西のはての年代記」三部作と『ラウィーニア』の場合」を寄稿しました。若い頃ルネサンス学者をめざしたこともあったル=グウィンは最…

「精神医療と音楽の歴史」レポート(2017.9.16)

古楽の話ではこちらもどうぞ。昨年9月16日に松沢病院で開催された公開講演会(レクチャーコンサート)「精神医療と音楽の歴史」のレポートを「医学史と社会の対話」研究プロジェクトのウェブサイトに寄稿しました。光平有希さんによる講演「精神医療と音楽 …

小澤高志さん追悼・ルネサンス大舞踏会に行ってきました(4.15)

こちらではたいへんごぶさたしておりました。そろそろこちらでも有機的にツイッターとフェイスブックとの連動運用を心がけてみたいと思いまして、戻って参りました。およそ一年ぶりとなりました。みなさまのご期待に応えてホッキョクウサギ日誌を再開します…