ホッキョクウサギ日誌

なかにしけふこのブログ。宗教学と詩歌文藝評論と音楽と舞台と展示の話など。

「アーミッシュ・キルトを訪ねて」展(国立民族学博物館・2018年12月1日)

 民博の「アーミッシュ・キルトを訪ねて」展を見ました。
(当日の写真付きツイートツリーはこちらから開けてご覧下さい)
https://twit

ter.com/mmktn/status/1068813401990647808

企画展「アーミッシュ・キルトを訪ねて―そこに暮らし、そして世界に生きる人びと」 | 国立民族学博物館

厳格な再洗礼派の質実で清潔感あるマテリアルカルチャー。ネブラスカ大学リンカーン校インターナショナルキルトスタディセンター&ミュージアムエリザベスタウン大学ヤング再洗礼派敬虔派研究センター、ゴーシェン大学メノナイト歴史図書館、アメリカンキルトスタディグループの協力での開催とのこと、充実した展示です。100年前の作例も色鮮やかで驚きます。
再洗礼派の多様性とキルトの用途・製法・図案のいろいろを把握できるパネルと復習用に持ち帰れるリーフレットの解説が親切です。より厳格に古式を守る集団のアーミッシュプロダクツ販売の橋渡しに(近代と資本主義社会に適応した)メノナイトが一役買っているとのこと。販売用より、コミュニティメンバーが日常生活で使う自家製キルトや贈答用のキルトの細工がじつに細やかです。遠景で見るとパッチワーク図案の大胆な色使いと簡素な幾何学模様が際立ちますが、近づいて見ると表地を裏地に縫い合わせるキルト文様の図案とピッチの揃った手縫いの運針の細やかさに圧倒されます。単眼鏡をお持ちのかたはぜひご持参ください。ぜひ近くで見るべしです。
常設部分では、まず楽器コーナーが圧巻です。パレスティナの伝統衣装展示やインドの布帛工芸・繊維産業展示などの服飾展示、3基出ていたルーマニアの「陽気な墓」にも興味を惹かれました。アジア・オセアニアコーナーには躍動感があります。
東南アジア部門にある鉦太鼓セット試奏コーナーではセッションの動画に合わせて叩けます。ミニマルミュージックみたいで楽しい(西洋楽器のつもりでドラをドーンと鳴らしたら「小さい音で叩く美意識があるのだ」と監視員さんから御指南いただきました)。
次回は常設部分もゆっくり回りたいです。

(なお、今回は閉館一時間前に駆け込みで見たため、1時30分から開催されていた踊共二先生のレクチャーを残念ながら聴くことができませんでした。レクチャーリポートを楽しみになさっていた方がもしありましたらどうぞご寛恕ください)

ところで万博記念公園のタロー・オカモト(太陽の塔)を実見しました。
思っていたよりもずっと大きい。そしてダイナマイトボディ。オランスのポーズにひろげた腕と、脇の下と胴体をつなぐラインがふくよかです。
大阪モノレール万博記念公園駅から公園・エキスポシティ方面に下るスロープから見ても存在感があります。公園の正門を入ると目の前に《太陽の塔》がお出迎え。民博で閉館まで展示を見て、出てきた頃にはもう日が暮れていました。《太陽の塔》周辺にはイルミネーション&ライトアップが凝らされており、プロジェクションマッピングもされていて写真を撮る方々で賑わっていました。次回もし予約が空いているようでしたら、ぜひ《太陽の塔》の内部に入って上まで登ってみたいものです。