舞台
この間に見た舞台(2021年11月~12月)の話です。11月なにか見ていたような気がするのですが、翻訳書のプロモーションをしながら週7コマそれぞれ別々の学校で授業をし、次の原稿の企画を複数たてつつよれよれになっていたことしか思い出せません。手元にチケ…
ヒロ・ヒライさんのBHチャンネルで『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人』の翻訳に関するインタビューの機会をいただきました。YouTubeへのリンクはこちらです。 youtu.be私の博論から本書の出版に至るまで、ジェンダーと学問、新プラトン主義者の生態…
夏じゅうワクチン副反応と周期的不調のあいまに校正をしていたような気がしますが、この間にみた舞台とストリーミング一覧です。私自身の登壇・司会の機会では、日本宗教学会(2021.09.07 オンライン、報告)と世界文学会ダンテシンポジウム(2021.10.9-10, …
宝塚歌劇花組公演で『アウグストゥス 尊厳ある者』(田渕大輔作・演出)が上演されるとのことで、名古屋大学の川本悠紀子さんからのお誘いで予習マテリアル紹介の連続ツイートをいたしました。ところが、緊急事態宣言発令で宝塚大劇場での上演が中止になって…
まだ感想をこちらにUPしていない、そのうち感想をお蔵だしするかもしれない観劇記録覚書です。まずは一覧だけでもUPします。これだけではなく、なにかもっと見ているような気がします。思い出すと追記が増えます。 オペラ・演劇・ミュージカル・ベンジャミン…
ブログよりお蔵だしです。舞台刀剣乱舞『天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-』(刀ステ天伝)を3月4日に見に行きました。 これから刀ステ天伝をみます pic.twitter.com/5uOZBP2AFY— Kyoko Nakanishi (@mmktn) 2021年3月4日 IHIシアターステージアラウンドは客席が…
刀ステ无伝(舞台刀剣乱舞『无伝・夕紅の士 -大坂夏の陣-』を見ました。すばらしい舞台でした。まさに「戦い続ける座組」、シリーズを追うごとに洗練が加わっています。私が見たのは「緊急事態宣言」発令で上演中止になる前の最終公演でした。スタンディン…
『ア・テンダー・シング』初日を観ました。 舞台 テンダーシング-ロミオとジュリエットより- 土居裕子 ×大森博史 「年齢を重ねてもロミジュリの台詞を発したい」という俳優たちの望みを二人芝居でかなえた戯曲。『ロミオとジュリエット』とシェイクスピアの…
『ユリイカ』2020年10月臨時増刊「総特集・別役実の世界」に「優しさとさびしさと 別役実の詩と詩学」を寄稿しています。劇中歌の歌詞を中心に論じました。お役目は果たせたと思います。ぜひご一読ください。べつやくれいさんや池辺晋一郎先生やケラリーノ・…
ダルカラことDULL-COLORED POP『アンチフィクション』(谷賢一脚本・演出・主演)を見ました。主宰の谷賢一さんの一人芝居です。コロナウイルス防疫対策のための謹慎中断後はじめての観劇でした。防疫対策もばっちりでした。現代思想の別役実特集に書くにあ…
劇団チョコレートケーキ『無畏』をみました。古川健台本・日澤雄介演出。大正天皇の生涯を描いた『治天ノ君』でも知られる史劇の名手タッグです。お二人の台本・演出で上演されるはずだった鈴木拡樹主演『アルキメデスの大戦』舞台版公演がコロナウイルス感…
Tokyo Players Collection『IN HER TWENTIES 2020』を見ました。上野友之脚本・演出。音楽の道をあきらめたある女性の20代を役年齢ごとに同じ実年齢の女優を10名起用して描く作品。「彼女」の一年一年が、そして「彼女」を演じる女優たちがとても愛おしく感…
みなさまたいへんごぶさたしておりました。ごたぶんにもれず、コロナウイルス防疫対策下での遠隔授業対応に追われる春学期でした。蜃気楼のように夏休みが消滅し、秋学期が始まろうとしています。持続可能な生活を模索しましょう。この間のできごとについて…
オリエンス宗教研究所刊の雑誌『福音宣教』での短期連載シリーズ「よみがえるテイヤール・ド・シャルダン」の続報です。 www.oriens.or.jp 『福音宣教』4月号には、昨年7月に新国立劇場小劇場で上演された『骨と十字架』(作・野木萌葱、演出・小川絵梨子)…
ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』既刊分13巻(ブレイドコミックス、マッグガーデン、2013–2020年)を一気読みしました。面白かった。 シェイクスピア『真夏の夜の夢』からゴシック・ロマンスと「ケルトの薄明」を経由して近現代ハイ・ファンタジーに至る妖精物…
びわ湖ホールの《ニーベルングの指輪》ツィクルス最終年の《神々の黄昏》無観客上演配信を見ました。政府の劇場・学校・社会教育施設閉鎖要請で全国の劇場・コンサートホールが続々と公演をとりやめるなかでの大英断です。さすが、故・若杉弘前音楽監督の時…
気を取り直してオリザ先生の『東京ノート』の感想を書こうと思います。まず武蔵野文化事業団の武蔵野市民割引ありがとう…いざ感想を書こうと思うと、手堅い!さすが!よい舞台!アフタートークも聡明無比!に収束してしまう。 すぐれたプロダクションを世に…
このところ新しい企画を進めておりましてごぶさたしておりました。そろそろ『刀剣乱舞』シリーズのまとめをしておきましょう。おかげさまで出講先で「せんせいとうらぶのファンなんですか?」との質問もいただいております。「箱推し、特に舞台版を推します…
《舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち》東京凱旋公演千穐楽おめでとうございます。あの果てしないように思われたタフな公演日程を無事に走り終えられたこと、ただただ感嘆と畏敬をもって見つめております。大千穐楽はライヴビューイングで拝見します。どうぞ最…
小沢道成さん作・演出・主演の一人芝居です。2014年初演作品の再再演とのこと。 鏡面仕上げの床のほのぐらい舞台と一面の大小の暗い鏡張りふうの額からなる壁に囲まれた部屋で、3台のラジカセとの「対話」とともにまっすぐに破局へむかってすすんでゆく、恋…
《舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち》。1月4日ソワレに行ってきました。 寝かせておくと東京凱旋公演が終わってしまうし、なんと冬休みがもう終わってしまった。昼は宗教学/キリスト教学のせんせいです。締め切りを斬らねばならぬ。なので書いてしまおう。以…
このたびは《舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち》への12月21日ソワレ分の劇評をお読みくださりありがとうございます。ブラウザゲーム未修、刀剣乱舞シリーズ初見の者が「神農直隆氏演じる武市瑞山(武市半平太)が見たい」という動機で東京凱旋公演を見に行き…
記憶が蒸発しないうちにダルカラマクベスの話をします。ダルカラマクベスとは、才人・谷憲一氏率いる劇団DULL-COLORED POPによる《マクベス》公演のことです。 身に余る栄光を受け止めきれない気弱さがいつか嘘で嘘を塗り固める虚栄にかわるマクベスの墜落を…
武市先生のおそるべき沈黙 超然ととおい雪嶺のように美しい。 武市先生のお話をいたします。彼が作中世界で担う沈黙と語られざる部分の大きさがむしろおそろしいようです。 《維伝》の歴史人物の造型は、司馬遼太郎作品・NHK大河ドラマ《龍馬伝》・まんが『…
その参のつづきです。あけましておめでとうございます。ようこそ2020年代。よい時代にいたしましょう。2019年の観劇納めは《舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち》とダルカラマクベスでした。2020年の観劇始めは《維伝》大千穐楽ライヴビューイングになりそうで…
その弐からのつづきです。 刀剣男士諸君の剣格の話をしましょう。 人々に親しまれる神話伝説の登場人物がそうであるように、基本設定と寓意性がソリッドでキャラクターの余白と行間が広くて深い世界設定と拝察します。着想源へのリスペクトあってこその物語…
《舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち》をブラウザゲーム版未修、『刀剣乱舞』シリーズの舞台初見でみた感想と考察です。歴史学の訓練を受けた経験のある宗教学徒としては、もろもろ応答責任のある舞台であるような気がしています。 以下、おぼえがき的に。(そ…
《舞台刀剣乱舞 維伝 朧の志士たち》東京凱旋公演を見ました。ブラウザゲーム未修で『刀剣乱舞』シリーズの舞台は初見です。ブラウザゲーム『刀剣乱舞』というハイコンテクストな主題を着想源とする商業演劇シリーズに、パブリック・ヒストリー主題の多重宇…
夏に見たもの その2 《骨と十字架》(野木萌葱脚本、小川絵梨子演出、新国立劇場小劇場、2019年7月12日、26日) 古生物学者で神秘家のイエズス会士、ピエール・テイヤール・ド・シャルダンの壮年期に取材した作品。《オレステイア》を見て釈然としなかったの…
夏に見たもの その1 ロバート・アイク《オレステイア》 (上村聡史演出、平川大輔訳、アイスキュロス原作、新国立劇場中劇場、2019年6月25日) 乖離と記憶喪失と裁きの物語である。神託に従って宿命を甘受する生き方を放棄した現代社会においては、精神医療…